2014年5月28日水曜日

2014年(22回)鍼灸国試問題38~44 生理学

先日、お世話になっている、いおり鍼灸院「一の会」の勉強会が行われ、勉強させていただきました。
主に鍼灸師さんや鍼灸学生さんを対象にした勉強会なのですが、鍼灸関係ではない職業の方も勉強会に参加されていてとても楽しいです。どの世界・業種でもそうだとは思いますが、資格を取得したり、仕事を始めてからも勉強をしていかないとその道の達人として成長していきません。私もまだまだ鍼灸師として未熟者です。
しかし!!鍼灸学生の皆さん、まずは国家試験を合格しないとスタートラインにすら立てません。来年の春を見据えてがんばりましょう。そして、いおり鍼灸院一の会の勉強会。気になる方はホームページをご覧くださいね。



2014年(22回)鍼灸国試 生理学


問題38 糸球体におけるろ過の原動力はどれか。
  1. 糸球体血圧
  2. ボーマン嚢内圧
  3. 血漿膠質浸透圧
  4. ボーマン嚢内液の膠質浸透圧

問題39 ノルアドレナリンの方がアドレナリンより作用が強いのはどれか。
  1. 気管支拡張
  2. 血圧上昇
  3. 血糖値上昇
  4. 心収縮力増大

問題40 退縮するのはどれか。
  1. 肝臓
  2. 腎臓
  3. 膵臓
  4. 胸腺

問題41 運動野があるのはどれか。
  1. 前頭葉
  2. 頭頂葉
  3. 後頭葉
  4. 側頭葉

問題42 骨格筋の収縮時にカルシウムイオンと結合するのはどれか。
  1. アクチン
  2. クレアチン
  3. トロポニン
  4. ミオシン

問題43 大脳基底核の働きはどれか。
  1. 感覚の中継
  2. 血糖の調節
  3. 姿勢の制御
  4. 唾液分泌の調節

問題44 光の刺激により縮瞳が起こる機序で正しいのはどれか。
  1. 毛様体筋の収縮
  2. 瞳孔括約筋の収縮
  3. 上斜筋の収縮
  4. 外側直筋の収縮




2014年5月23日金曜日

2014年(22回)鍼灸国試解答解説31~37 生理学

「類は友を呼ぶ。」
似た者同士が集まるということですが、最近私の周りは今年が自身の転換期という人に多く出会います。自分のため、家族のため、周りの人のため。踏ん張り時はつらいけども登り詰めればきっと振り返った時にきれいな色をした思い出になると思います。踏ん張りどころ。踏ん張ろう。あなたの周りはどんな人が集まっていますか?


では前回の生理学の解答解説です。


2014年(22回)生理学 解答・解説

問題31
  • 解答.4
RNAが多く含まれるのは粗面小胞体に付着しているリボソームである。リボソームはrRNAとタンパク質からなり、細胞内でタンパク質を合成する。

問題32
  • 解答.2
ピルビン酸は、解糖系で生じたもの。
解糖系は1分子のグルコースが分解されて2分子のピルビン酸と2分子のATPができる過程である。
そしてピルビン酸を分解する過程のTCA回路で様々な分解を経て2分子のATPと6CO2、最終過程の水素伝達系で34分子のATPと12H2Oが生じる。

問題33
  • 解答.1
P波は心房興奮、QRSは心室興奮、T波は心室興奮の消退を示す。
よって心房から心室への伝導はPQ時間となる。

問題34
  • 解答.4
過換気は身体がアルカローシスになることで、体内の二酸化炭素が異常に体外に放出され起こります。すると、体内の水素イオン(H)が減少しアルカローシスが起こります。

問題35
  • 解答.3
小腸の乳び管で脂肪は吸収される。


問題36
  • 解答3
ペプチド結合とは、多数のアミノ酸の結びつきのことである。
アミノ酸が2個以上結合したものをペプチドといい、10個前後のものをオリゴペプチド、それ以上の結合をポリペプチドという。

問題37
  • 解答1
体温調節中枢は視床下部にあり、体温の一定レベルをセットポイントという。このセットポイントが正常よりも高いレベルに上がると発熱が起こる。



2014年5月15日木曜日

2014年(22回)鍼灸国試問題31~37 生理学

5月も半ばになりました。勉強のやる気スイッチは入ってますか?まだ5月だし…って感じますか?もう5月って感じますか?
では、来年の今頃は何をしている予定ですか?
たまに私はふっと、来年の今頃は何をしているかな~って考えます。すると、来年はこうゆうふうにしたいから、今はこうしておこう。とか、今のままではダメだから動こう!ってなるんです。
皆さんも一度、来年の自分を思い描いてみてください。

さて、今回から生理学に入ります。鍼灸の国家試験では解剖学と生理学で合計20点以上ないと合格ラインをクリアーするのが厳しいです。基礎教科なので頑張って足元を固めましょう。


2014年(22回)鍼灸国試 生理学

問題31 RNAが多く含まれる細胞小器官はどれか。
1.ゴルジ装置
2.ミトコンドリア
3.リソソーム
4.粗面小胞体

問題32 ピルビン酸の分解で生じないのはどれか。
1.ATP
2.二酸化炭素
3.尿素
4.水

問題33 心房から心室への伝導時間を表す心電図成分はどれか。
1.PQ時間
2.QT時間
3.PP時間
4.RR時間

問題34 過換気で起こるのはどれか。
1.動脈血酸素分圧の低下
2.動脈血二酸化炭素分圧の上昇
3.血漿重炭酸イオン濃度の増加
4.血漿水素イオン濃度の減少

問題35 小腸上皮から吸収後、中心乳び管に入るのはどれか。
1.グルコース
2.アミノ酸
3.中性脂肪
4.ビタミンB₁

問題36 ペプチド結合を有する物質はどれか。
1.脂質
2.炭水化物
3.蛋白質
4.ビタミン

問題37 体温調節中枢について正しいのはどれか。
1.核心温度の変化を感受する。
2.セットポイントの下降により発熱が起こる。
3.中枢は延髄にある。
4.プロゲステロンは体温を低下させる。



2014年5月10日土曜日

2014年(22回)鍼灸国試解答・解説26~30 解剖学

鍼灸学校3年生の方はこの1年で模試というものを何回か受験するかと思います。
これは私の経験なので、あくまでも個人的な意見ですが…知識が曖昧でいまいち分からなかった時は、直感的に選んだ番号がなぜか当たるということです(笑)。やっぱりこっちだったかな~と答えを書き換えるとダメなんです。なぜでしょう? いまだに分かりませんが、これが直感ってやつですかね。

2014年(第22回)鍼灸国家試験 解剖学はこれで完了です。まだまだ第21回以前の問題もありますから皆さんご自身でどんどん解いてくださいね(^^)

解剖学 解答・解説

問題26
  • 解答.1
内包は、内包前脚は尾状核頭とレンズ核の間、内包膝は前後脚の移行部、内包後脚は視床とレンズ核の間にあり、水平断面では「く」の字形を呈する。大脳皮質中枢と脊髄を連絡する重要な求心路と遠心路の投射線維が必ず通過する場所である。

問題27
  • 解答.4
  1. 毛様体神経節は動眼神経の副交感神経で瞳孔括約筋・毛様体筋の調節経路。
  2. 翼口蓋神経節は顔面神経の副交感神経で涙腺へ向かう経路。
  3. 顎下神経節は顔面神経の副交感神経で顎下腺・舌下腺へ向かう経路。
  4. 耳神経節は舌咽神経の副交感神経で耳下腺へ向かう経路。

問題28
  • 解答.4
腕神経叢の後神経束から分かれるのは、肩甲下神経、胸背神経、腋窩神経、橈骨神経である。

問題29
  • 解答.2
腰神経叢の枝で筋裂孔を通るのは腸腰筋、大腿神経、外側大腿皮神経が通る。
また、筋裂孔の隣(内側)には血管裂孔があり、大腿動脈、大腿静脈、恥骨筋、大腿輪が通る。

問題30
  • 解答.3
  1. 黄斑の中央部は中心窩である。
  2. 水晶体と虹彩の間の空間は後眼房という。
  3. ※シュレム管は強膜静脈洞とも言い、毛様体から分泌された眼房水を吸収する。
  4. 網膜の色素上皮層は単層立方上皮よりなる。




経穴の苦しくない覚え方

 初めまして、稲垣順也と申します。
 詳しい自己紹介は後日とし、本日は、経穴の覚え方、そのコツについて、思うところを述べてみます。
 経穴の勉強に苦しさを感じている方は、試しに読んでみてください。

 経穴を出来るだけスムーズに記憶し、その記憶を以降も苦労せず保つのに有効だと私が考える要素は、以下の3点。

  1. 経穴を学ぶことに対する目的意識・モチベーション
  2. 経穴についての情報を、既習知識と結び付け、自分なりに効能を研究しようとする
  3. 経穴が存在するという自分の身体部位を、手指感覚のトレーニングも兼ね、触りまくる

  1. 経穴を学ぶことに対する目的意識・モチベーション

     あなたの潜在能力を目覚めさせてくれる魔法のボタンのようなもの──まさに、あなたの人生を変えるツボ──が、世界のどこでもない、あなた自身の体に、もし在るとしたら……その存在を知ることなく人生の大半を過ごしてしまうなんて、もったいないとは思いませんか?

     今の自分を変えてくれるツボがどこかに在ると信じられれば、経穴の授業は自然と貪欲な気持ちで受けることが出来るでしょう。そういう意味で、鍼灸が効いたという体験を持っていることは、勉強を進めていく上での大きな助けとなります。鍼灸の効能をもっと体験したい、家族や周りの人にも体験して欲しいといった思いが、逆に、まだ無いのだとしたら、360以上の経穴を覚えることが苦痛でしかないのは、むしろ当然のことだと思います。


  2. 経穴についての情報を、既習知識と結び付け、自分なりに効能を研究しようとする

     経穴の存在を知っても、その経穴へのアプローチが自分や患者さんには必要なのかどうか──つまり、その経穴の使い方のようなもの──が分からなければ、自分や患者さんの体調を改善することは出来ない訳です。そして、この“経穴の使い方”については、確かな正解はいまだ存在しないと考えてもらった方が良いと思います。そもそも、それが定式化しやすいものであるならば、鍼灸は既に世間からもっと安定した評価を得られていることでしょう。

     経絡や経穴の名前や位置には、東洋医学の理論や人体観が表現されている……そう考えて、経絡経穴概論と東洋医学概論で習ったことを、重ね合わせて考える癖を付けてください。そうすることで、経絡経穴については意味を感じながら勉強することができ、東洋医学については理論を具体化しながら勉強することができ、両方の内容を身に付けやすくなります(その具体例については今後、このブログで紹介していきたいと思います)。


  3. 経穴が存在するという自分の身体部位を、手指感覚のトレーニングも兼ね、触りまくる

     経穴が存在する場所を習ったら、その部位には“周囲との触り心地の境界線”が必ずあるのだと信じ、実際に触りまくってください。

     その“境界線”の明瞭さ・あいまいさは、経穴によっても人によっても様々なので、境界線を実感できないこともあると思います。しかし、その様々さを味わおうとして行う試み自体が、経穴を覚える上でも、手指の感覚を磨く上でも、大切な積み重ねとなります。「触りまくる」とは書きましたが、それは頻繁に・継続的に実践して欲しいという意味のみであって、経穴の触り方としては、指先で、出来るだけ圧力を加えず、皮をなでるように探っていくのがポイントになります。


 「鍼灸学生ではないけれど、ツボを勉強してみたい」という方なら以下の書籍を購入するのも良いですが、学生ならば、教材は教科書のみで十分です。

2014年5月8日木曜日

2014年(22回)鍼灸国試問題26〜30 解剖学

今週末は母の日ですね♪♪何をプレゼントしようか悩み中な今日この頃です。


問題30までが解剖学の範囲ですので、今回で解剖学の問題は完了です。次回からは生理学に入ります。

問題26 内包が通るのはどれか。
  1. 尾状核とレンズ核の間
  2. 淡蒼球と被殻の間
  3. 被殻と前障の間
  4. 前障と島の間


問題27 舌咽神経と関連するのはどれか。
  1. 毛様体神経節
  2. 翼口蓋神経節
  3. 顎下神経節
  4. 耳神経節


問題28 腕神経叢の後神経束から分かれるのはどれか。
  1. 横隔神経
  2. 長胸神経
  3. 胸筋神経
  4. 胸背神経


問題29 腰神経叢の枝で筋裂孔を通るのはどれか。
  1. 陰部大腿神経
  2. 外側大腿皮神経
  3. 腸骨下腹神経
  4. 閉鎖神経


問題30 眼について正しいのはどれか。
  1. 黄斑の中央部を視神経円板という。
  2. 水晶体と虹彩の間の空間を前眼房という。
  3. 角膜と強膜の境界部にシュレム管がある。
  4. 網膜の色素上皮層は単層円柱上皮よりなる。

2014年5月7日水曜日

2014(22回)鍼灸国試解答・解説19~25 解剖学

5月5日の立夏も過ぎ、暦の上では夏がやってきました。
晴れた日に公園へでかけると、新緑と青空がきれいですね♪
といっても日中と朝晩の気温差が激しいので、服のチョイスに困ります(ーー;)


さて、遅くなりましたが前回の解答・解説です。


解剖学 解答・解説


問題19
  • 解答.4
上肢の伸筋支帯には6つの管がみられ、それぞれ腱が通る。
第1管―長母指外転筋腱、短母指伸筋腱
第2管―長橈側手根伸筋腱、短橈側手根伸筋腱
第3管―長母指伸筋腱
第4管―総指伸筋腱、示指伸筋腱
第5管―小指伸筋腱
第6管―尺側手根伸筋腱

問題20
  • 解答.2
腸脛靭帯は、大腿外側の大腿筋膜が肥厚したものであり、大殿筋と大腿筋膜張筋が付着する。骨の付着部位を表現するのであれば、大殿筋の腸骨翼や大腿筋膜張筋の上前腸骨棘に付着となる。

問題21
  • 解答.3
国試に頻出問題です。
  1. 喉頭蓋軟骨は無対性で喉頭の上口、舌骨の後面に位置し、弾性軟骨に属す。
  2. 甲状軟骨は無対性で喉頭蓋軟骨と輪状軟骨の間に位置し、硝子軟骨に属す。
  3. 披裂軟骨は有対性で三角錐型になっている。左右の披裂軟骨に声帯筋が付着し、声門の開閉に関与している。硝子軟骨に属す。
  4. 輪状靭帯は無対性で上部は甲状軟骨に接し、下部は第1気管軟骨につながる。硝子軟骨に属す。

問題22
  • 解答.4
  1. 腎臓は3つの被膜(腎筋膜・脂肪被膜・線維被膜)に覆われている。
  2. 右腎の上部には肝臓の右葉があり、その右葉の重みによって右腎が左腎より若干低い位置にある。
  3. 腎小体は糸球体とボーマン嚢からなる。さらに、腎小体と尿細管(近位尿細管・ヘンレループ・遠位尿細管)を合わせてネフロンという。
  4. 傍糸球体細胞からはレニンが分泌される。

問題23
  • 解答.3
まず、外頸動脈の枝は、上甲状腺動脈、舌動脈、顔面動脈、上行咽頭動脈、後頭動脈、後耳介動脈、浅側頭動脈、顎動脈。


顎動脈の枝はもうここで中硬膜動脈だとわかります。そして顎動脈の枝は…多すぎるので割愛で結構です。

問題24
  • 解答.3
  1. 橈骨動脈は手根管は通らない。
  2. 外側腋窩隙を通るもの⇒後上腕回旋動脈・静脈、腋窩神経
    内側腋窩隙を通るもの⇒肩甲回旋動脈・静脈
  3. 正解。
  4. 尺骨動脈は前腕前面を通る。内側上顆の後ろを通るのは、尺骨神経。

問題25
  • 解答.3
脾静脈は門脈の一つである。
【門脈から心臓までの静脈血の流れ】
脾静脈・上腸間膜静脈・下腸間膜静脈⇒門脈(肝臓の中に入る)⇒小葉間静脈⇒洞様毛細血管⇒中心静脈⇒肝静脈(肝臓から出る)⇒下大静脈⇒心臓







2014年5月2日金曜日

2014年(第22回)鍼灸国家試験問題19~25 解剖学


こんにちは。世間ではGW半ばと言われていますが、いかがお過ごしでしょうか?
本格的な連休は5月3・4・5・6日ですね(^^)どうぞ有意義な休日をお過ごしください。

さて、2014年はりきゅう国家試験問題の続きをお送りします。
前々回の問題15から問題30までが解剖学の問題となります。
今回は問題19~問題25まで載せておきます。



問題19 上肢の伸筋支帯下の6つの管と通過する腱との組合せで正しいのはどれか。
  1. 第1管―長母指伸筋の腱
  2. 第2管―長母指外転筋の腱
  3. 第4管―短母指伸筋の腱
  4. 第5管―小指伸筋の腱


問題20    腸脛靭帯について正しいのはどれか。
  1. 下前腸骨棘に付着する。
  2. 大殿筋が停止する。
  3. 大腿の内側面にある。
  4. 下腿筋膜が肥厚したものである。


問題21 喉頭の軟骨のうち対をなすのはどれか。   
  1. 喉頭蓋軟骨
  2. 甲状軟骨
  3. 披裂軟骨
  4. 輪状軟骨


問題22 腎臓について誤っているのはどれか。
  1. 脂肪被膜で包まれる。
  2. 右腎は左腎より低い。
  3. 腎小体は糸球体とボーマン嚢からなる。
  4. 傍糸球体細胞からアルドステロンが分泌される。


問題23 顎動脈の枝はどれか。
  1. 中硬膜動脈
  2. 顔面動脈
  3. 後頭動脈
  4. 舌動脈


問題24 上肢の動脈の経路について正しいのはどれか。
  1. 橈骨動脈は手根管を通る。
  2. 腋窩動脈は外側腋窩隙を通る。
  3. 上腕動脈は内側上腕二頭筋溝を通る。
  4. 尺骨動脈は上腕骨内側上顆の後ろを通る。


問題25 下大静脈に直接注がないのはどれか。
  1. 肝静脈
  2. 腎静脈
  3. 脾静脈
  4. 腰静脈